日本語って難しい。
ちょっとしたニュアンスで、
意味がどんどん変化していく。
先日、知り合いの中で、こんなやり取りを耳にした。
上司の指示ミスにより、同じような書類を、もう1つ作成することになった。
上司は「いいよ、いいよ。オレがやっておくよ。」
新人の部下は「そうですか」で終わってしまった。
本来、この仕事の書類作成は、部下の仕事だった。
私は何となく、そのやり取りを聞いていて、
上司の言葉を鵜呑みにすると、ヤバイかもと思い、
おせっかいながら、その部下の人に、忠告した。
「やってあげた方が、喜ぶと思いますよ。」
新人の部下の人は、割と素直な人だった。
もう一度作業することは、まったくいいのだが、
自分がやってしまったことで、逆に失礼にならないかと、
私に聞いてきた。
じゃあ、ということで、1つ上司に聞いてみてとアドバイスをした。
「先ほどの追加分、私がやりますが、宜しいでしょうか。」
「えっホントか。イヤー悪いなあ。ありがとう、助かるよ。」
上司は上機嫌になり、部下のヤル気をとても喜んでいた。
喜ばれた部下は、
いつも以上にヤル気を出して、追加分を仕上げてくれた。
上司の「いいよ、オレがやっておくよ」の言葉のニュアンス。
指示をミスしたのは自分の責任だからという引け目と、
もしやってくれれば有難いのだが…という願いの入った言葉。
言葉の裏に隠された本当の意味を、
深く読み取ることが、必要になってくる。
日本語は、曖昧な表現が多い。
何かをお願いするとき、
決して「○○しなさい」と命令形で指示することはない。
相手の立場を重んじ、
やってくれると有難いなあと思いながら、話をすることが多い。
情を大切にすることが多いのが、日本人の特徴であるが、
今回は、ある会社の1コマをご紹介した。
この内容は仕事だけに関わらず、
家族内や友人内でも、起こり得ることである。
物事は、ケースバイケースで、
その時により、ニュアンスも変化する。
発した言葉の表側だけでなく、
その人の考え方を網羅すると、
そのニュアンスが感じ取れていくだろう。



