救世光明不動尊 その1
~平成23年5月7日 不動明王 顕現す~
平成23年3月11日、東日本大震災が起き、
日本は未曾有の大混乱に陥りました。
大勢の方がお亡くなりになり、
未だに行方の分からない方もたくさんおられます。
生き残った方々は、
今必死に復旧復興に向けて、努力されておられます。
この震災でお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りするとともに、
復興に向けて取り組んでおられる皆様に、1日も早い復興が叶うことをご祈念申し上げます。
そんな中、この3.11を契機として、
色々な決断をされた方々もたくさんおられたことでしょう。
この震災をきっかけに結婚したり、
今しかできないことを成すために転職したり、
人生の価値観の大転換が起きたのです。
さてこれは、3.11を契機とした私の主人とお不動様のお話です。
この震災の後、主人の手元に一体のお不動様がやってきたのです。
・・・
私の実家の寺に、長い間立ち枯れになった1本の木が、
水屋の横にあるお地蔵さんの隣に立っていました。
祖母に、
「これ、子供の頃からここに立っているけど、何でこの木、切らないの?」
と尋ねたところ、
「この木は、先々代のご住職が
若いころ務めていた京都の青蓮院門跡から持ち帰ったもので、
しろ白檀の木なんだよ。」
そう言います。
(日本で育った白檀は大変珍しく、特にしろ白檀は貴品種)
試しに、少し削ってみたところ、とても強い香のにおいがします。
「本当に、これはしろ白檀だ。」
祖母に了解を取り、いくつかに切り分けて、
京都の寺(毘沙門堂門跡にて修行時代を過ごす)に持って行くことにしました。
しろ白檀の木で、いくつかの念珠を作り、
一番大きい所は、何か彫刻でもしようと思い、
しばらく手元に置くことにしました。
ある時、仏像彫刻の世界では、大変有名な京佛師 出口翠豊さんが、寺に来られた折り、
件の木の塊を見せると、その木を手に取るなり、
10分ほど何も語らずに色んな角度からそのしろ白檀を一心に眺めています。
そして一言、
「この中には、お不動さんがいらっしゃるよ。私が出してあげよう。
大まかな所は私がやるから、後はあなたがやりなさい。」
そう、言われると、「じゃあ」と言い残し、
「いいお不動さんだ、顔に傷があるけど、これがまたいい。うんうん」
と言いながら、足早に仁王門の方へと降りて行かれました。
それが、今から23年前の12月28日、
この日は寺の境内では餅つきの日、小雪のちらつく寒い日でした。



