私たちが学んでいる気功・太極拳の根幹をなす思想の中に、
道(タオ)という教えがあります。
タオは、老子の著した道徳教の中に説かれています。
(老子 二千五百年前に中国で生まれる。)
「有物混成、先天地生、吾不知其名、字之日道」
七尾より熱海湾を望む
タオのことを口で説明することはできない、
説明してしまうこともできない。
ある人は、見えざる手と呼び、
ある人は自然の摂理であるという。
人はこの雲をつかむような原理のことを、とりあえず「タオ」と名づけた。
宇宙が混沌としていたときに、
重たいものは沈み、軽いものは浮いていった。
そこから天と地が先ず生まれ、
天と地のはざ間より数々の現象が生まれた。
これらは、すべてある、ないを含め、同じ源より発している。
このため、天と地は、あらゆるものの始まりの母と言える。
さて、タオの教えは、一筋縄ではいかないようです。
なにせ、タオの教えを体得した人は、いないのですから。
天があれば地が生じ、
右は左によって知ることができ、
男性は女性に惹かれ、その逆もまたしかり、
世の中は、陰陽のごとく相反した力が互いにバランスを取り合っている。
そのバランス力のことを、太極と呼ぶ
私たちの住むこの宇宙は見えざるバランス(太極)の力によって、支配されている。
これは良いものでも、悪いものでもない。
見えざるバランス力(太極)は、
有機的なネットワークによって構成されていて、
私たち自身も、そのネットワークの末端のひとつでしかない。
今回はこのようなタオの観点から見た、
人と人とのつながりについて、3回に亘り、お話をしてみたいと思います。
道(タオ)から見た、人と人とのつながりの在りようは、
交差点のようなものです。
私たち1人ひとりには、
生まれてから今に至るまでの長い歴史があります。
どこで生まれ、
どのような環境で育ち、
どのような人と巡り会い、
何を選択して、今に至ったのか。
そのような人と人が知り合ったとき、
その背景や歴史がぶつかり合い、
交差して、やがてジョイントし、つながっていきます。
妙に気が合ったり、合わなかったり、
しかしそのようなことはおかまいなく、
タオの領域は私たちを包み込んでいきます。
今雑踏の中で、前を歩いている人も、
たまたま乗り合わせた電車で隣に座った人も、
実は何らかの縁によって、あなたとつながっています。


